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赤い部屋の話

 

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386 :本当にあった怖い名無し:2009/06/07(日) 18:57:59 ID:dbX1bwrFO
帰省するため車で山道を走っていたAさん。

もう日も沈み、周りは真っ暗だった。

夜の山道ってのは気味が悪いな…と思いつつ走っていると、林と道路の境に女がしゃがんでいる。

こんな時間になぜ…と不思議に思いつつ、車を停め「どうしました?」と声をかけた。

しかし女は無反応。

気を悪くしたAさんは、もうシカトして行こうと思ったが さすがに夜の山道に置いていくわけにもいかず 後部座席の扉を開け乗るように促した所、女は黙って乗り込んできた。



車を走らせ、山道を進む。

間を持たせるため当たり障りのない会話をするが、女は無反応。

さすがに頭にきたAさんは車を停め、「ねぇ君、どこまで行くつもりなの!?」と少々苛立ちながら聞いた。



388 :本当にあった怖い名無し:2009/06/07(日) 19:00:25 ID:dbX1bwrFO
すると女は林の中を指さした。

「じゃあ、ここで降りるんだね?さよなら!」

Aさんが そう言うと、女は礼も言わず車を降り、林の中に入っていった。



しばらくして冷静さを取り戻したAさんは、罪悪感に苛まれた。

ちょっと言い過ぎたかな…それに女の子1人で夜の山なんて危険だよな…。

Aさんは車を降り、女の後を追って林の中に入った。



389 :本当にあった怖い名無し:2009/06/07(日) 19:01:13 ID:dbX1bwrFO
しばらくして、女の白いワンピースが遠くに見えた。

女は古びたボロ小屋の中に入っていった。

「あそこが彼女の家なのかな…?」

そう思いながら小屋の前まできたAさん。

新聞紙で目張りされた窓の隙間から、僅かに薄明かるい光がもれている。

「ここが家なら、もういいだろ…」

そう思いつつ、彼女のことが気になったAさんは古いサッシ戸の鍵穴から部屋の中を覗いてみた。


だが、視界に広がるのは真っ赤な光。

「ん…何だ?赤い壁紙の部屋なのか?」

Aさんは再び鍵穴から覗いてみた。

やはり真っ赤な部屋しか見えない。

その赤をじっと見てると頭がクラクラして立ちくらみがした。

気味悪さに寒気がしたAさんは、急いで車に戻って先を急いだ。

しばらく走ると、休憩所を兼ねた駐車場があったので少し休むことにした。



392 :本当にあった怖い名無し:2009/06/07(日) 19:02:02 ID:dbX1bwrFO
ぐったりしたAさんは仮眠を取った。

どのくらい寝ただろうか。

ドンドンドン!と運転席の窓を叩く音で目が覚めた。

すっかり夜も明け、周りは朝もやに包まれていた。

窓を叩いたのは、駐車場の管理者らしき初老の男だった。


「どうしました?」


初老の男は、疲れきった顔をしたAさんに尋ねてきた。


男はこれまでの経緯を話した。

すると初老の男の顔色が変わった。


「その子…白いワンピース着て髪が長かった?」


「ええ。そうです。ご存知なんですか?」


「ああ…あの子は可哀想な子でね…

小さい頃に難しい病気になって、家族で あそこに越したみたいなんだけど精神のほうがかなり…ね。だからあんな感じなんだよ。

両親が死んでも まだあそこに1人で暮らしてるんだ。

その病気のせいなのかな…あの子、目が真っ赤なんだよ。」


Aさんは震え上がった。

じゃあ…鍵穴から覗いたときに見た赤い色は…!?






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